仙丈ケ岳(せんじょうがたけ)は、長野県伊那市と山梨県南アルプス市にまたがる標高3,033 mの山です。日本百名山であり、高山植物が豊かであることも相まり「南アルプスの女王」と言われています。日帰り登山が可能で危険箇所も少ないことから、とても人気があります!「馬ノ背尾根」「仙塩尾根」「小仙丈尾根」「地蔵尾根」の4つの頂稜と、氷河の浸食によりできる「カール」という地形、「藪沢カール」「大仙丈沢カール」「小仙丈沢カール」の3つを持っており、山頂からは、鋸岳や甲斐駒ヶ岳、仙塩尾根、富士山、北岳、そして間ノ岳と、。北アルプス、中央アルプス、八ヶ岳を眺めることができます!この記事では、仙丈ヶ岳の尽きない魅力と、安心して楽しめる登山ルートのポイント、さらに知っておきたい準備までを詳しくご紹介します!南アルプス女王が織りなす絶景と感動をぜひお楽しみください!
仙丈ヶ岳について

■基本情報
標高:3,033m
所在:山梨県南アルプス市と長野県伊那市にまたがる
特徴:3,000m峰でありながら比較的危険箇所が少なく、初心者でも登りやすいことから「南アルプス入門の山」としても人気です。山頂からは、富士山、北岳、間ノ岳といった日本の標高トップ3の山々をはじめ、北アルプスや中央アルプスまで一望できる素晴らしい展望が広がります。
■山名の由来、地域との関わり、山岳信仰など
山名の由来には諸説あります。
高さを表す「千丈」: 昔の長さの単位である「丈(約3m)」の「千丈(せんじょう)」、つまり「とてつもなく高い山」という意味合いから名付けられたという説。偶然にも、仙丈ヶ岳の標高3,033mは、約1,000丈にほぼ一致しています。
広大なカールを表す「千畳」: 頂上付近に広がるカール(氷河によって削られた地形)が「千畳」もの広さを持つことから転じたという説もあります。
・地域との関わり
古くは、長野県の伊那地方では甲斐駒ヶ岳の前に位置することから「前山」と呼ばれていた時期もありました。現在では、登山口となる北沢峠を挟んで、甲斐駒ヶ岳と共に南アルプス登山の拠点として地域と深く関わっています。
・山岳信仰
仙丈ヶ岳は、古くから信仰の対象とされてきました。山頂には石仏や「手力男命(たぢからおのみこと)」と刻まれた石碑が置かれており、修験道などの霊場として崇められていたことがうかがえます。特に、隣の甲斐駒ヶ岳は「南アルプスの貴公子」と呼ばれ、より男性的な山岳信仰の対象として栄えたのに対し、仙丈ヶ岳は対照的な存在として信仰されてきたと考えられます。
東京からのアクセス方法
■公共交通機関を利用する場合
仙丈ヶ岳の登山口となる北沢峠へのバスが発着する「仙流荘」または「広河原」を起点に、電車とバスを乗り継いで向かいます。
仙流荘経由(長野県側)
1.JR新宿駅から特急あずさ号でJR茅野駅またはJR伊那市駅へ。
2.茅野駅または伊那市駅から季節運行のバス「南アルプスジオライナー」を利用し、戸台口にある「仙流荘」へ向かいます。
3.仙流荘から南アルプス林道バスに乗り換え、北沢峠へ。
広河原経由(山梨県側)
1.JR新宿駅から特急あずさ号でJR甲府駅へ、またはバスタ新宿から高速バスで甲府駅へ。
2.甲府駅から山梨交通の路線バスで「広河原」へ向かいます。
3.広河原から南アルプス林道バスに乗り換え、北沢峠へ。
■マイカーを利用する場合
中央自動車道を利用して、登山口に最も近い駐車場を目指します。
広河原までの林道はマイカー規制があるため、事前に規制情報を確認する必要があります。
仙流荘駐車場(長野県側)
1.中央自動車道伊那ICから、国道361号などを経由して仙流荘へ向かいます。
2.仙流荘からはマイカー規制のため、南アルプス林道バスに乗り換えます。
広河原駐車場(山梨県側)
1.中央自動車道甲府昭和ICから、国道52号、国道140号などを経由して広河原へ向かいます。
仙丈ヶ岳の登山ルート紹介
▼登山した日
9月上旬
▼登山レベル
★★★☆☆
中級者向け!険しい箇所はほとんどなく比較的登りやすい山道です!
初心者は小屋泊で行くなら登れます!
登山スケジュール
登山時間 6時間45分
05:00 仙流荘前無料駐車場(約350台)到着
07:00 バス出発 仙流荘バス発着所
07:50 北沢峠 登山開始
09:50 小仙丈ヶ岳(2,864m) 登頂
11:00 仙丈ヶ岳(3,033m) 登頂
〜ランチ〜 頂上で食べれる
14:30 北沢峠 下山
★YAMAPアカウント
ぜひ訪れてみてください→Hiking Bear
登山に行く前に必ず「YAMAP」のアプリをダウンロードしておきましょう!
電波が届かなくてもマップが使えます!
・バス情報:南アルプス林道バス
・北沢峠にある宿:山小屋
※バスを使わなければいけないので、前泊もそうですが、下山時間もしっかり確保しないといけないです。
※出発時間は前日の夜!そして駐車場で前泊をしないとバス2時間くらいは待つことになります。
長野の登山おすすめシーズン

■春(4月〜6月)
春は新緑が美しく、山の植物が芽吹く季節です。4月後半から6月にかけては天候も比較的安定しており、心地よい気温の中での登山が楽しめます。山道にも雪がなく富士山も雪を被っているのでおすすめシーズンです!
■服装
日中は比較的温暖ですが、朝晩は冷え込むことがあります。長袖シャツ、薄手のフリース、ウィンドブレーカーなど、重ね着できる服装があるとよいです!
■夏(7月〜8月)
夏は高山植物が咲き誇り、山全体が色とりどりの花で覆われます。避暑地としても人気があり、涼しい気候の中、快適に登山が楽しめます。ただし、週末や祝日は混雑する場合があることを頭に入れておきましょう。
■服装
暑さ対策として、通気性の良い吸汗速乾性素材のウェアを着用しましょう。帽子、サングラスもあるとよいです!
■秋(9月〜11月)
秋は紅葉が山を彩り、その美しさは格別です。10月中旬から11月上旬にかけてが紅葉のピークで、多くの登山者や観光客が訪れます。秋晴れの日が多く、空気が澄んでいるため、遠くの山々まで見渡す絶好の機会です。
■服装
気温の変化が大きいため、フリースやダウンジャケットなど、保温性の高いウェアを持参しましょう!
■冬(12月〜3月)
冬季は雪山登山となり、装備と経験が必要です。ただし、雪に覆われた景色は幻想的で、特に経験豊富な登山者にとっては大きな魅力があります。安全に楽しむために、冬山装備や天候のチェックは必須です。
■服装
厚手の防寒着、帽子、手袋、ネックウォーマーなどが必要です。積雪状況によっては、アイゼンやピッケルが必要になります。
仙丈ヶ岳の魅力
「南アルプスの女王」と称される豊かな高山植物と美しいカール地形!
豊富な高山植物から「南アルプスの女王」と呼ばれています。また、氷河の浸食によってできた「藪沢カール」「大仙丈沢カール」「小仙丈沢カール」という3つのカール地形が見どころです。

日本百名山でありながら、比較的日帰り登山がしやすく、危険箇所が少ない
標高3,033mの日本百名山ですが、山道は比較的登りやすく、日帰りはもちろん、初心者でも山小屋泊(1泊2日)の行程であれば挑戦可能です。

山頂から望む360度の大パノラマ絶景
山頂からは、富士山、北岳、間ノ岳といった南アルプスの山々だけでなく、北アルプス、中央アルプス、八ヶ岳までを一望できる壮大な景色が広がります。

登山に行く前の準備
登る際の安全性を確保するためには、入念な準備と計画が不可欠です。天候とMAPのダウンロードなど事前準備をしっかり行いましょう!
■おすすめの天候アプリ
私が普段使っているのは「てんきとくらす」というアプリです。
このように山頂からの見晴らし情報や1日の山の天候を把握することができます!ぜひ使ってみてください!



■MAPの準備
この記事を読んでいる方はすでにダウンロードしているかもしれませんが、やはり「YAMAP」がおすすめです!
YAMAPはスマホのGPS機能を利用することで、電波の届かない山の中でも現在位置を知ることができるアプリです。 登山中の遭難原因の大半を占める「道迷い」を回避することができます!
仙丈ヶ岳を登ってみて
ついに南アルプスに挑戦することができました~!なぜこれまで登っていなかったかというと、南アルプスの山は基本的に駐車場から登山口までバスを使わないといけないので、それはめんどくさいな~と思って後回しにしていました。しかし、どうしても美しい稜線とカールを拝みたかったので、挑戦しちゃいました(笑)山頂までの山道の雰囲気やどんな景色を楽しめるのかについては、動画を見ていただくのが一番分かりやすいのでチェックしてみてください! 仙丈ケ岳は、登り始めからしっかり登る感じですが、わりと早い段階で景色が開けて、3つのカールを眺めながらひたすら稜線を歩くのでとても楽しいです!いや~ほんとにカールがすんごいきれいなんでずっと見てられます!登山って森の中をひたすら登って山頂でやっと景色開けた~ってイメージだと思うじゃないですか、仙丈ケ岳は、景色が開けている時間が長くて、稜線とカールを楽しみながら山頂を目指すことができるので、ほんとにおすすめの南アルプス登山です!!あ、ただ下山の時間をちゃんと確保しないと帰りのバス間に合わないので気を付けてくださいね(笑)


7:00頃 バス出発 (仙流荘→北沢峠)
朝5時に駐車場に着いたにも関わらずおよそ2時間以上の待ち時間が発生….。下山のバス時刻も決まっているので体力に自信のない人はとにかく早く到着しておきましょう!下山が間に合わなくなりますので注意してくだい!
バス情報はこちらから→南アルプス林道バス
※ICカードは使用不可。バス乗り場で切符を購入する必要があります。
※駐車場:仙流荘(バスは約350台停められます)

7:50 登山開始 北沢峠 (仙流荘→北沢峠)
登山口となる北沢峠は仙丈ヶ岳だけでなく、百名山「甲斐駒ヶ岳」の登山口でもあります。どちらも日帰りで登ることができますが、北沢峠付近に何軒かある山小屋に宿泊して、1泊2日で登る行程も人気があります!
※北沢峠にある宿はこちらから→山小屋
※北沢峠のトイレ。出発したら仙丈ヶ岳登頂後の仙丈小屋までトイレが無いので、必ず寄っておいた方がいいです!

登り始めてから割とすぐに急登となり1時間ほど続きます。。。最初から飛ばさないようにした方がいいです! 針葉樹林帯からハイマツ帯へとなっていき、大きな石が転がるハイマツ帯の中を越えれば、この先で展望が開けます!


9:20頃
登り始めて1時間半、振り返ると景色が広がります!甲斐駒ヶ岳まで見ることができ、疲れが吹っ飛びます!少し雲海も出てました!ここからは視界が開けているので、景色を楽しみながら登ることができます! ちなみに上段の写真で、山頂が花崗岩で白いのが甲斐駒ケ岳です!右に摩利支天、その手前が駒津峰、駒津峰の稜線を右下にたどりV字型をした所が岩塊斜面の仙水峠です!


9:50 小仙丈ヶ岳(2,864m) 登頂
登り始めておよそ3時間、小仙丈ヶ岳(2,864m)に登頂しました〜!少しガスっていたので景色が全て見れたわけではなかったのは残念でした。


小仙丈ヶ沢カールが見えてきました〜!緑の中に点々とオレンジが映えていて秋を感じることができる景色です! 小仙丈ケ岳からしばらく平坦で広い稜線歩きが続き、すごく気持ちがいいです!

見てください美しい稜線、そして美しいカールです!

振り返ると!小仙丈ケ岳が稜線上に見えています!ガスっていなければ右手奥に鳳凰三山、甲斐駒ケ岳が望めます!

さあ、ここからは稜線歩きを楽しんで行きましょう!




仙丈ヶ岳までラストスパート!稜線を時計回りに登っていきます!さらには右下を望むと藪沢カールが広がっています!

11:00 仙丈ヶ岳(3,033m) 登頂
登り始めて3時間10分、仙丈ヶ岳に登頂しました〜!ガスっててほとんど景色を見ることができませんでした!

山頂までこのような道を登ってきました〜!

南アルプスの女王!
ぜひ挑戦してみてください!
南アルプスおすすめの山を紹介
他にも南アルプスおすすめの山はたくさんあるのでぜひこちらからチェックしてみてください!
登山装備・持ち物
⛰服装⛰
・登山靴
足をしっかりサポートし、滑りにくいソールを持つ登山靴が必要です。快適な登山体験のためには適切なサイズとフィット感が重要です。
・登山服
Tシャツ、短パン(ロングでも可、草とか当たるの嫌だったらロングタイツ)、アウトドアジャケット、・厚手の靴下
・帽子・替えのTシャツ※季節によって調節しましょう。
・登山用リュックサック:
必要な装備や飲食物、防寒具などを収納できる大きさのリュックサックが必要です。背負い心地や調整機能にも注意しましょう。
・保護具
ヘルメットや手袋、サングラスなど、頭部や手足の保護具が登山中の安全を確保するために重要です。
・防寒着:
山岳地帯では気温が急激に変化するため、防寒具を持つことが重要です。フリース、ダウンジャケット、防風・防水のシェルジャケットなどが必要です。
・トレッキングポール
坂道や不安定な地形でのバランスをサポートするためのトレッキングポールが役立ちます。
・登山地図アプリ「YAMAP」
事前に、登山地図アプリ「YAMAP」で登る山の地図をダウンロードしましょう。オフラインの状態でもGPSで自分の場所を確認することができます。
⛰おすすめアイテム⛰
・応急処置キット
・ヘッドランプ
・飲み物(これ大事!大いに越したことない!笑)1リットルは必要
・食料 途中で食べるおにぎりとかウイダーも◎
・おやつ
・お金(電子化してないから現金あった方がいいです!)
・虫除けスプレー(なくても全然いい)
・タオル
・日焼け止め
・ティッシュ、ウエットティッシュ
・充電器
・折り畳み傘orかっぱ
